神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース(代表:陳暁)では、下記のとおり、2024年度の第3回コース集団指導を開催します。大学院進学を考えておられる方を含め、多くのみなさまの聴講を歓迎します。なお、学外からの参加の場合は、事前に石川(iskwshin@gmail.com)までご一報ください。
記
日時: 2024年7月26日(金)10:40~12:10
会場: 神戸大学国際文化学研究科鶴甲第1キャンパスD503教室
発表形式:ポスター発表
プログラム
10:40~11:20 A組 陳迪・岡本・飯島・石居・魏・尾崎
11:20~12:00 B組 中村・廉・Shimamoto・春山・牟
D3
中村弘子
「日本人大学生の性格・情意要因が英語発話時の韻律的特徴に与える影響―生理学的および音響学的考察― Effects of Personality Traits and Affective Factors on English Prosodic Features in Japanese University Students: Acoustic and Physiological Analyses」
概要:今回の発表では博士論文の第8章で取り上げる「情意要因が文アクセント」に与える影響について、文全体のピッチレンジに加え、各単語のピッチレンジの大きさの違いにも注目し、習熟度別の分析を行った結果について考察を加える。
「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
概要:定型文の音読課題(第4章)と,インタビュー課題への応答(第5章)の音声データを用いて,学年(対応なし:5,6年生)と学期(対応あり:1〜3学期)の2元配置分散分析を行った。第4章と第5章の分析結果を用いて,音声指導の効果について考察する。
陳迪
「中国語を母語とする日本語学習者の漢語動名詞使用に対する意識調査」
概要:学習者にとって望ましい漢語動名詞の指導システムを開発するため、CLJを対象に、漢語動名詞の基礎知識および応用知識の理解度、ならびに漢語動名詞の指導に対する意識についてアンケート調査を実施する。本発表は調査結果を報告する。
D1
Shimamoto David
"Soliciting Accounts to Repair Problems of Acceptability in Pre-task Question-Answer Sequences "
概要:In its most general sense, the provision of accounts aids the intelligibility of our actions. This poster presentation examines how educators solicit accounts from learners in pre-task interaction when their responses are deemed inapposite. Two contrasting cases are analyzed: one in which an account is solicited and promptly delivered and another in which an account is solicited but is not provided.
飯島真之
「現代英語の態度マーカー:COREコーパスのレジスター別頻度調査に基づいて」
概要:本研究ではスタンス(stance)の枠組みのうち、態度マーカー(fortunately, important等)に着目する(Hyland, 2005)。現代英語における33種の多様なレジスターから構成されるCOREコーパスを用いて、個々の対象表現とレジスターの関係性を踏まえた考察を行う。
廉沢奇
「オノマトペ標識の出現パタンはジャンルと関係あるか?ーBCCWJとCEJCを用いた分析ー」
概要:先行研究で、オノマトペの出現パタンがジャンル差の影響を受けることが知られている。しかし,個々のオノマトペを構成する「オノマトペ標識」(促音、撥音、長音、反復…)のレベルで、ジャンル別の出現差を調べた先行研究はほとんど存在しない。そこで本研究は従来の議論をより抽象的なレベルでとらえなおし、「オノマトペ標識」と使用場面の関係性を探りたい。
M2
石居 史帆
"Identity-in-interaction in L2 Japanese Talk: Micro-longitudinal Change in Identity-related Epistemic Stance"
概要:認識的スタンスの変化について、主に認識的標識に注目し、Micro-longitudinal Conversation Analysisを用いて分析する。また、アイデンティティとの関係性について考察する。
春山洸陽
"Reusing shared interactional histories as a peripheral participant"
概要:ロールプレイタスクを行う中で、周辺参加者として共有した言語資源をその後の相互行為において使用しているデータとその分析発表する。
尾﨑 祐真
「2段階マッチングによるフィードバックシステムの検討」
概要:フィードバックシステムを改善するために、2段階でのマッチング方法を検討した。従来の単純なキーワードマッチングでは、不完全な入力でも回答を返してしまう問題があったため、新しいアプローチでは、まず1段階目で学習者の意図を把握し、次に二段階目に入力の正確性を評価するという方法を検討した
「「A(っ)Bり」型オノマトペの典型的な音韻パタンの確定―NSコーパスを用いて」
概要:日本語のオノマトペは、語形だけでなく、音韻が重要な役割を果たしている。本研究は、非母語話者向けのオノマトペ指導において、母語話者が持つ言語音感覚を学習者に理解させるため、NSコーパスを用いて「A(っ)Bり」型オノマトペのA・B要素別に典型的な母音・子音・音韻パタンを調査する。
「現代日本語における「と+動詞」の動詞成分ージャンルによる差異の解明ー」
概要:今回は、書き言葉のBCCWJの4ジャンル、話し言葉のCEJCの4ジャンル、あわせて8ジャンルにおいて、JNSが高頻度で使用する「と+動詞」の動詞成分を解明する。これらが明らかになれば、CLJ向けの日本語教育の指針にもなる。