2024年7月25日木曜日

神戸大学国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースの紹介

神戸大学大学院国際文化学研究科グローバル文化専攻外国語教育コンテンツ論コース

2024年4月26日、第1回集団指導後の撮影

【コースの紹介】
 神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースでは,新時代の外国語教育の創造に主体的に参画できる人材育成を目指し,外国語教育の内容・方法・展開に関わる研究を総合的に行っています。
 当コースでは,言語学(コーパス言語学・認知言語学・語用論・音声学・文法学)と教育学(授業論・教育工学)の学問的基盤をふまえつつ,とくに,教育現場での実践的展開を見据えた研究を重視しています。
 本コースにおいて外国語教育を取り巻く諸問題に多面的にアプローチする能力を付けた修了生は,国内外の教育機関等で活躍しています。本コースは,学部時代の専門に関わらず,外国語教育を通して社会のグローバル化に貢献しようとする意気込みにあふれた学生の受験を歓迎します。

【コース指導の特徴】
 閉鎖的な徒弟式の指導に偏らず,コース教員の多様な専門を生かした集団指導を特徴としています。コース学生は,主指導教員によるゼミのほか,年間5回の「コース集団指導」において,コース所属の教員全員から指導を受け,各自の研究を深めていくことができます。「コース集団指導」は本格的な学会発表の予行の場でもあり,自分の専門をわかりやすく発表するプレゼンテーション技術を磨くこともできます

集団指導風景(学生全員がポスターを作成し、他の院生・教員とディスカッションする)

【コース教員】 (担当講義科目 専門分野)
石川 慎一郎 教授 (研究者紹介科研個人HP)  
 外国語教育内容論特殊講義II   応用言語学 
柏木 治美 教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教育工学論特殊講義   教育工学、CALL
木原 恵美子 准教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教授学習論特殊講義   英語の構文研究、認知言語学
グリア・ティモシー 教授 (研究者紹介科研個人HP
 第二言語運用論特殊講義   会話解析
佐藤 健 教授(研究者紹介科研個人HP)※2024/4着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 応用言語学、ICT利用外国語教育
芹澤 円 助教(研究者紹介・科研・個人HP)
 言語対照応用論特殊講義Ⅰ ドイツ語学
陳 暁 講師(研究者紹介・科研・個人HP) ※2023/10着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 中国語学

【コース修了生の進路実績(2007~2023年度)】
(後期課程)
【専任】近畿大学准教授,環太平洋大学准教授,大阪大学専任講師,広島国際大学専任講師,四川外国語大学専任講師,湖北大学専任講師,大阪工業大学特任講師,中南財経政法大学専任講師,山東科技大学専任講師、カタール大学専任講師
【非常勤】関西大学他非常勤講師,神戸大学非常勤講師,東京家政大学非常勤講師、神戸大学外国人特別研究員他

(前期課程)
(進学)神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程、筑波大学博士後期課程
(就職)
【教育関係】神戸大学特命助教,兵庫県立大学助教,東京大学附属中等教育学校教諭、神戸大学附属中等教育学校教諭(2),神戸大学附属小学校教諭,兵庫県立高校教諭(2),滋賀県立高校教諭,神戸女学院中高等部教諭,沖縄県立高校講師,西大和学園中高講師,同志社女子中高講師,尼崎市立中学校教諭,神戸市立中学校教諭、神戸市外国語大学非常勤講師、神戸市高等工業専門学校非常勤講師
【企業等】(株)矢崎産業,(株)Sony Computer Entertainment, Taiwan,(株)三菱電機,(株)白鳩(インターネット通販),(株)日立ソリューション,(株)富士通、(株)Sony Global Manufacturing Corporation、(株)TSB(電子部品商社)上海支社ほか。

【研究分野で活躍する修了生】(50音順)(2024年4月1日現在)
《本コースは内外の大学教員を多く輩出しています。》

Amar, Cheikhna氏 
 カタール大学専任講師(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
井上 聡 氏 
 環太平洋大学教授(前副学長・学部長)(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
袁 園 氏
 中南財経政法大学副教授 (ウェブサイト)*本コースD修了(グリアゼミ)
岡田 悠佑 氏 
 大阪大学准教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
呉 琪氏
 筑波大学助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(朱ゼミ)
佐々木 恭子氏
 国立米子工業高等専門学校准教授(ウェブサイト) ※本コースM修了(石川ゼミ)
肖 錦蓮 氏
 華南農業大学外国語学部日本語学科専任講師(ウェブサイト) ※本コースM研究生、D修了(石川ゼミ)
隋 诗霖氏(ウェブサイト
 吉林動画学院(※単科私立大)国際交流学院日本語教師 ※本コースM研究生・M修了(石川ゼミ) 
鈴木 佳奈 氏 
 広島国際大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)
張 昆 氏 
 四川外国語大学専任講師 ※本コースMD修了(朱ゼミ)
張 晶鑫氏
 湖北大学副教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(石川ゼミ)
陳 昌柏 氏 
 山東科技大学外国語学院 研究生导师(ウェブサイト)※本コースD修了(朱ゼミ)
鄧 琪 (邓琪) 氏
 東北大学(秦皇島キャンパス)専任講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
中西 淳氏
 大阪工業大学講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
Zachary Nanbu氏
 同志社大学グローバル地域文化学部助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(グリアゼミ)
李 楓 氏 
 西安理工大学准教授(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
渡邉 綾 氏 
 福井県立大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)


◎大学院(博士前期課程・後期課程・研究生)志望者の方へ
当コースは,受験前の教員への事前相談を必須化しています。師事したい教員がいれば,直接,メイルで連絡をとってください。

【コース関連教員】
(名誉教授)
井口 淳  名誉教授(英語語法学・英語辞書学)Researchmap
沖原 勝昭 名誉教授(英語教育学・応用言語学)Researchmap 
枡田 義一 名誉教授(ゲルマン語文法研究)Researchmap 神戸日独協会会長
朱 春躍 名誉教授(中国語音声学)Researchmap
大和 知史 名誉教授(英語教育学) → 現 関西大学教授 Researchmap

 (転出教員)
西出 佳代 講師 → 現 金沢大学准教授 Researchmap
浅野 友紀 講師 → 現  北海道大学准教授 Researchmap
大和 知史教授 → 現 関西大学教授 Researchmap


【学生研究テーマ】
(博士論文)第2言語使用アイデンティティ,小学校英語指導者資質診断テスト開発,会話における他者起源修復,中日同形方位成分,会議インタラクション,日本語複合動詞,英語基本動詞のコーパス分析,漢語サ変動詞のコーパス分析,日本語オノマトペ分析、会話分析

(修士論文・修了研究レポート)英語強意詞,英語コロケーション,英語使役動詞,英語起動表現,ドイツ語動詞の自他,日本語カタカナ語,シャドーイング,フォニックスルール,Focus-on-form発音指導,バイリンガル話者会話分析,英語前置詞コーパス分析,終助詞「よ・ね」の音調分析,日本語複合動詞「~あう」研究他


【Q&A】
Q:どのような言語が研究できますか?
A:英語,日本語,中国語,ドイツ語については専門スタッフがそろっています。また,このほかの言語についても,一般言語学および言語教育学の観点から研究指導を行うことが可能です。

Q:学部時代に外国語学を専攻していなかったのですが志願できますか?
A:これまでの在籍生の学部時代の専門は,言語学・言語教育学のみならず,文学・法学・経済学などさまざまです。語学力と語学教育への熱意があれば,大学院において新たに外国語教育の研究を始めることもじゅうぶん可能です。本コースでは,導入講義を体系的に開講しているので,これらの履修により,2年間で修士レベルの知識や分析スキルを身に着け,さらに,後期課程で研究を深めることができます。

【過去のコースメンバー写真】
外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2019/4/26撮影)

外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2020/1/31撮影)

外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2021/1/8キャプチャ)

外国語教育コンテンツ論コースメンバー(2024/2)






  







2024年7月24日水曜日

教員・ゼミ紹介:陳暁 講師

Updated: 2024/7/23


1. 教員氏名

陳 暁(ちん・ぎょう)







2. 教員の略歴

南開大学(中国)文学院卒業。同大学文学院にて修士号取得。北京大学 中国語言文学系で博士号取得。日本学術振興会外国人特別研究員(神戸市外国語大学)、お茶の水女子大学・外国語教育センター 講師(任期付)を経て、現在、神戸大学大学教育推進機構/国際文化学研究科講師。 


3. 教員連絡先

(メール) chenxiao@people.kobe-u.ac.jp

(サイト) https://chen-xiao.jimdosite.com/


4. 教員研究キーワード

中国語学,近世中国語,清代の北京語(語彙、文法、音声及び歴史的変化),中国文献学,満漢(満洲語と中国語)合璧文献,日本明治時代の中国語教科書,19世紀西洋人が編んだ中国語教科書


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語,中国語

(研究テーマとしての言語種)日本語,中国語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

陳ゼミは,近世中国語,清代の北京語(語彙、文法、音声及び歴史的変化),満漢(満洲語と中国語)合璧文献,日本明治時代の中国語教科書および19世紀西洋人が編んだ中国語教科書について,本気で研究をしたいという熱意のある学生を受け入れます。


7. ゼミ指導に関する基本方針

・テーマについては,学生の希望を聞きつつ,基本的には教員側で調整を行います。

・ゼミ生はMLで常時連絡を取り合います。ゼミは原則週1回行われます。学生の便宜のため,オンラインゼミも行われます。

・学外発表については,M1時点より,年1回(Dは年数回が望ましい)を基本ノルマとしています。


8. ゼミで執筆する修論・博論について

修論は5万字程度,博論は15万字程度が平均です。


9. ゼミの魅力

・ゼミ教員が所属する学会が多くあり,日本の大学及び海外の大学(特に中国の大学)と学術的なつながりを保っていますので,ゼミ生は学会や学術イベントで発表することが可能です。

・ゼミでは食事会(歓迎会,送別会など)があります。リラックスしてゼミ教員と交流する機会を作ります。


10. ゼミOB/OGの就職状況

なし。


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

・本気で研究をしたいという熱意のある学生を歓迎します。

・陳ゼミは,大量の歴史文献の原本や影印本を読んだり調査したりする必要があります。このため、原本や影印本を読まず,ネットで検索してデータを取る方法に慣れている方は,陳ゼミに向いていません。ご自身の適性をよく考えてから,連絡してください。

・陳ゼミは,研究のために,高いレベルの中国語能力が求められます。HSK5級以上のレベルに相当する中国語能力が望ましいです。

・ゼミ希望の学生は,必ず事前に陳にコンタクトを取り,オンライン面談することが必須です。


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献

陳暁2018《基于清后期至民国初年北京话文献语料的个案研究》,北京大学出版社。

(漢文主編)劉雲/陳暁,(満文主編)王碩/竹越孝2018《早期北京話珍稀文献集成・清代満漢合璧文献萃編》(全9輯),北京大学出版社。(全9輯あるため,少なくとも1輯は読んでほしいです。)

太田辰夫1957『中国語歴史文法』,江南書院。2014新装再版,朋友書店。

太田辰夫1995『中国語文論集』(語学篇・元雑劇篇),汲古書院。


 

教員・ゼミ紹介:石川慎一郎 教授

Updated: 2024/7/23


1. 教員氏名

石川慎一郎(いしかわ・しんいちろう)








2. 教員の略歴

神戸大学文学部卒.神戸大学文学研究科・岡山大学文化科学研究科修了.博士(文学).静岡県立大学,広島国際大学を経て,2004年より神戸大学教員.英語コーパス学会会長,大学英語教育学会理事他を歴任.現在,計量国語学会副会長,文化庁文化審議会国語分科会委員(言語資源小委員会副主査).


3. 教員連絡先

(メール) iskwshin@gmail.com

(サイト) https://language.sakura.ne.jp/s/


4. 教員研究キーワード(10個程度)

応用言語学,コーパス言語学,学習者コーパス研究,計量言語学,言語統計学,辞書学,英語教育,日本語教育,教材開発・分析,インストラクショナルデザイン


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語,英語

(研究テーマとしての言語種)日本語,英語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

石川ゼミは,「コーパス言語学を基盤とした言語研究・言語教育研究」を専攻される学生のみを受け入れます.コーパス以外のアプローチに基づく研究テーマ(広く外国語教育全般など)は受け入れていません.


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)

・テーマについては,学生の希望を聞きつつ,基本的には教員側で調整を行います.「自由にやりたいことができる」わけではありません.

・研究デザインはもちろん,スライドの作成や論文執筆の「てにおは」に至るまで,厳しく指導を行います.

・ゼミ生はMLで常時連絡を取り合います.ゼミは原則週1回行われ,夏季や冬季の休暇中も指導があります.学生の便宜のため,現在,セミは対面:オンラインが1:9程度です. ゼミでは,全員が1週間の進捗をパワーポイントなどにまとめて報告し,教員がそれを直していくスタイルです.

・学外発表については,M1時点より,年1回(Dは年数回が望ましい)を基本ノルマとしています.


8. ゼミで執筆する修論・博論について

・コーパス研究では一定の分量が必要です.過去のゼミ生の場合,修論は100p程度,博論は350-400p程度が平均です.


9. ゼミの魅力(学会発表,ゼミ旅行,先輩との交流など)

・コース内では,比較的人数が多いゼミのため,ゼミ生間で競い合いながら一緒に学んでいける環境があります.

・ゼミ教員が主催する学術イベントが多くあり,原則,ゼミ生はそれらで発表することになります(学習者コーパス国際シンポLCSAW,北京外大・神戸大日本語研究シンポ,言語統計シンポジウムなど)

・ゼミでは年間2回程度食事会(歓迎会,送別会など)があり,そこにはOB/OGも参加されます.とくに中国からの留学生については,強いOB/OGのネットワークがあり,中国の大学で教授職に就いている先輩が後輩の研究をサポートしてくれる伝統があります(データ収集など).ゼミ旅行については,コロナ前には,北海道や九州の学会にゼミ生有志と一緒に参加したことなどがありますが,ゼミとしての純粋な旅行イベントは予定していません.


10. ゼミOB/OGの就職状況

後期課程修了者: 環太平洋大学教授・副学長,西安理工大学准教授,湖北大学准教授,華南農業大学専任講師、中国東北大学専任講師、大阪工業大学専任講師,関西大学非常勤講師,神戸大学非常勤講師,神戸大学学術研究員

前期課程修了者: 吉林動画学院,神戸松蔭中学校高等学校講師,私立西大和中学校・高等学校講師,兵庫県立高等学校教諭(2),岡山県立高等学校教諭(1),鳥取県立高等学校教授(1),神戸大学附属中等教育学校・小学校教諭(2), Sony Computer Entertainment Inc, Taiwan,ダイハツ(株),三菱電機(株),(株)白鳩,日立ソリューション、Sony他。


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

・学問分野としてのコーパス言語学は,記述的アプローチと規範的アプローチ,言語学と言語教育学,質的分析と量的分析,母語話者研究・学習者研究など,従来,二項対立的に扱われてきた研究アプローチや手法を1つに統合するというすぐれた特性を持っています.本気でコーパス言語学を学び,サイエンスの観点から言語学や言語教育学を再構築しようとする意欲にあふれた学生の志望を歓迎します.

・石川ゼミは多くの留学生(とくに中国出身者)を受け入れてきました.教員は北京外国語大学招聘教授の経歴を持ち,中国各地の大学とも研究ネットワークを持っています(北京外国語大学,上海大学,上海外国語大学ほか).コーパス言語学,とくに学習者コーパス研究は,中国語話者であっても,努力すれば、日本語母語話者に打ち勝つ研究ができる分野です.ネイティブの真似をするだけでなく,ネイティブも気づいていない言語の事実を明らかにする,そんな知的な挑戦をしてみたい留学生を歓迎します.

・一方で,自分のペースで自由に研究をしたい人,教師による厳しい指導を苦手とする人,学外研究などに出かけるのを好まない人,大量に書くことが苦手な人,数字やデータ処理が苦手(または嫌い)な人には石川ゼミは向いていません.ご自身の適性をよく考えてから,連絡してください.

・ゼミ希望の学生は,必ず事前に教員にコンタクトを取り,教員とオンライン面談することが必須です.


12. ゼミ希望者が読んでおくべき文献

(書籍)

石川慎一郎(2023)『ベーシック応用言語学2版』(ひつじ書房)

石川慎一郎(2021)『ベーシックコーパス言語学2版』(ひつじ書房)

石川慎一郎他(2020)『学習者コーパスI-JAS入門』(くろしお出版)

(オンラインで読める論文)

https://www.researchgate.net/profile/Shinichiro-Ishikawa-2 よりアクセスしてお読みください



教員・ゼミ紹介:柏木治美 教授

Updated: 2024/7/24


1. 教員氏名

柏木治美(かしわぎ・はるみ)









2. 教員の略歴

神戸大学教育学部卒.神戸大学教育学研究科修士課程・神戸大学自然科学研究科博士課程修了.博士(学術).熊本大学を経て,2004年より神戸大学教員.教育システム情報学会,日本教育工学会,情報処理学会所属.


3. 教員連絡先

(メール) kasiwagi@kobe-u.ac.jp

(サイト) https://www.kashiwagi-lab.jp/


4. 教員研究キーワード(10個程度)

教育工学,生成AI,音声認識,CGキャラクタ,スピーキング練習,RFID(Radio Frequency Identification),AR(Augmented Reality),TPR(Total Physical Response)教授法,英語教育,外国語教育


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語

(研究テーマとしての言語種)英語,その他の言語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

柏木ゼミは,「情報通信技術を取り入れた外国語学習システムの開発」を専攻される学生のみを受け入れます.外国語学習システムの「開発」ではなく,外国語学習へのICT技術の「活用」にとどまる研究テーマや,広く外国語教育全般に関する研究テーマは受け入れていません.


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)

・テーマについては,学生の希望を聞きつつ,基本的には教員側で調整を行います.「自由にやりたいことができる」わけではありません.

・テーマは外国語学習システムの開発に関わるため,ご自身でPythonやJavascript等のプログラミングを行ってシステムやツールの開発を行うことが前提となります.

・研究デザインについては,修業年限内に行うことが可能なように調整を行います.また,論文執筆は,M1時点より,計画的に執筆するよう,厳しく指導を行います.

・ゼミ生はメールで常時連絡を取り合います.ゼミは原則週1回,対面で行われ,夏季や冬季の休暇中も指導があります.コース集団指導や学会発表,論文投稿に向けては,週2,3回程度,対面でゼミを集中的に行います.ゼミでは,全員が1週間の進捗をパワーポイントなどにまとめて報告し,教員がそれに対して指導を行っていくスタイルです.


8. ゼミで執筆する修論・博論について

柏木ゼミでは外国語学習システムの開発に関わるテーマに取り組むため,システム開発,システムの試用・運用実験,論文執筆等,取り組むことは多岐にわたります.そのため,修業期間中に研究テーマに十分時間を取って取り組むことが求められます.以下がこれまでゼミ生が取り組んでいた主な研究テーマとなります.

・生成AIや音声認識を取り入れた外国語スピーキング練習ツールの開発

・CGキャラクタを取り入れた外国語練習支援システムの開発

・RFID(Radio Frequency Identification)・AR(Augmented Reality)を取り入れた外国語活動の支援システムの開発,

・TPR(Total Physical Response)教授法を応用した外国語学習システムの開発 等


9. ゼミの魅力

学外発表については,M1時点より,基本的に年1,2回行います.さらに発展的に国際会議での発表や論文投稿を行っていただくことも視野に入れています.これらの活動は自身の成長につながるかと思いますので,積極的に学会発表や国際会議への論文投稿や発表に参加していただければと思います.


10. ゼミOB/OGの就職状況

前期課程修了者: 兵庫県立中学校教諭,野村総合研究所 他。


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

・学問分野としての教育工学は,工学面と教育面の両面を考えてシステム開発を行うというすぐれた特性を持っています.本気で外国語学習に関わるシステムやツールの開発を自分で行いたい意欲にあふれた学生の志望を歓迎します.

・柏木ゼミの研究テーマは外国語学習システムの「開発」に関わるため,ご自身でPythonやJavascript等のプログラミングを行ってシステムやツールの開発を行っていただきます.また,システム開発,システムの試用・運用実験,論文執筆等,修業期間中に取り組むことは多岐にわたります.そのため,プログラミングにたずさわることに消極的な方,自分のペースで自由に研究をしたい方,学会発表や国際会議への参加等を好まない方には柏木ゼミは向いていません.ご自身の適性をよく考えてから,連絡してください.

・ゼミ希望の学生は,必ず事前に教員にコンタクトを取り,教員と対面で面談することが必須です.


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献

(書籍)

ミネルヴァ書房より出版されている日本教育工学会監修の教育工学選書シリーズをご覧ください.

https://www.minervashobo.co.jp/author/a49433.html


(オンラインで読める論文)

https://www.kashiwagi-lab.jp/en/papers-ja/ よりアクセスしてご覧ください.




 

教員・ゼミ紹介:Tim Greer 教授

Updated: 2024/7/24

1. 教員氏名

Tim Greer




2. 教員の略歴

オーストラリア出身。南クイーンズランド大学教育学部卒.南クイーンズランド大学教育学研究科修了.博士(教育学).クイーンズランド州教育省,北海道大学を経て,2004年より神戸大学教員.全国語学教育学会バイリンガリズム研究部会長、他を歴任.現在,アジア会話分析ネットワーク理事,Interactional Competence and Practices in Second Languages (ICoP-L2)研究会理事他.

Born in Australia, Prof. Greer completed his Doctorate of Education in the School of Education at the University of Southern Queensland. After working for the Queensland Department of Education and Hokkaido University, he has been teaching at Kobe University since 2004. He has served as the Chairperson of the JALT Bilingualism SIG and is a co-founder and organizer of the Conversation Analysis Network in Asia (CAN-Asia). He is also currently a board member of the Interactional Competence and Practices in Second Languages (ICoP-L2) committee.


3. 教員連絡先

(メール) tim@kobe-u.ac.jp

(サイト) https://tim792.wixsite.com/greer


4. 教員研究キーワード(10個程度)

応用言語学,会話分析,語用論,英語教育,TBLT,日本語教育,Membership Categorization Analysis,バイリンガリズム,会話上のアイデンティティ研究,(授業外の)第2言語使用,談話分析

Applied Linguistics, Conversation Analysis, Pragmatics, English education, TBLT, Japanese Education, Membership Categorization Analysis, Bilingualism, Identity in interaction, L2 use beyond the classroom, Discourse analysis.


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)英語,日本語

(研究テーマとしての言語種)英語,日本語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

グリアゼミは,「会話分析を基盤とした社会科学的な言語研究・言語教育研究」を専攻される学生のみを受け入れます.

I am interested in students who wish to specialize in Applied Linguistics and language education from a socio-interactional perspective, particularly through micro discourse analytic approaches such as CA, MCA or Occasioned Semantics.


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)

・ゼミは原則月3回行われ,夏季の休暇中も指導があります.学生の便宜のため,現在,セミはオンラインで行う場合が多いです. 

・学外発表については,M1時点より,年1回(Dは年数回が望ましい)を基本ノルマとしています.

・Zemi meetings are generally held three times a month, and instruction is provided during the summer vacation. For the convenience of the students, many of the zemi meetings are now conducted online. 

・Students can expect to take part in conference presentations at least once a year (several times a year is desirable for D students).


8. ゼミで執筆する修論・博論について

会話分析は主に質的な研究方法であるので、一定の分量が必要です.過去のゼミ生の場合,修論は100p程度,博論は200-300p程度が平均です.そして、当ゼミでは英語で執筆することになりますので、その覚悟の上でご応募ください。

Conversation Analysis is primarily a qualitative research method, so it requires a certain amount of writing. In the case of past seminar students, the average length of a master's thesis is about 100 pages, and that of a doctoral thesis is about 200-300 pages. In addition, in this seminar you will be expected to write in English, please proceed with that in mind.


9. ゼミの魅力(学会発表,ゼミ旅行,先輩との交流など)

本ゼミが他のコースと特に異なる点は、大部分が英語で行われることである。ゼミ中の議論もほとんど英語ですし、論文執筆も英語で書くことが奨励されています。そのため、当ゼミには海外からの留学生や過去に留学経験のある日本人が多く、海外からの訪問者もしばしば参加します。

毎年開催されるCAN Asiaシンポジウムや年2回開催されるICOP-L2カンファレンスなど、国内外のCA-SLAカンファレンスでの発表が奨励されています。

・One thing that particularly distinguishes this zemi from others in the course is that it largely takes place in English. Most of the readings and discussions are in English and students are encouraged to write their theses in English as well. For this reason, the zemi often has students and visitors from overseas, as well as Japanese who have studied abroad in the past. 

・Our members are encouraged to present at CA-SLA conferences in Japan and overseas, including the annual CAN Asia symposium and the semi-annual ICOP-L2 conference. 


10. ゼミOB/OGの就職状況

後期課程修了者: 大阪大学准教授,広島国際大学准教授,福井県立大学准教授,カタール大学専任講師,同志社大学特任講師、 中国中南财经政法大学准教授

前期課程修了者: 神戸女子学院中学部・高等学部教員,関西大学高等部教員,宮崎教育委員会他

Graduates from this seminar have gone on to work at a variety of different educational contexts such as universities in Japan (such as Osaka University, Fukui Prefectural University, Hiroshima International University) and overseas (such as Zhongnan University of Economics and Law, Qatar University), as well as in high schools and junior high schools in Japan (including Kobe College High School, Kansai University Junior and Senior School, and Miyazaki Board of Education). Others have gone on to pursue further study abroad. 


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

会話分析は、細部への忍耐強い注意力と観察力、そして根拠のある発見への鋭い感覚が求められる研究分野です。自然な相互作用の研究に真剣に取り組み、言語学習や言語教育について、用法に基づいた視点から考察する意欲のある学生の応募を歓迎します。

グリア教授のゼミでは、外国人留学生、日本人学生、特に英語に強い学生を受け入れています。ゼミへの参加を希望する学生は、事前に教員と連絡を取り、オンライン・インタビューを受けてください。

Conversation Analysis is a field of study that demands patient and observant attention to detail and a keen sense of grounded discovery. I welcome applications from students who are serious about studying natural interaction and who are eager to examine language learning and teaching from a usage-based perspective. My seminar accepts both international students and Japanese students, especially those with a strong background in English. Students who wish to participate in the seminar are required to contact the faculty members in advance and have an online interview with them. 


12. ゼミ希望者が読んでおくべき文献

(書籍)

Wong, J., & Waring, H. Z. (2010). Conversation analysis and second language pedagogy: A guide for ESL/EFL teachers. Routledge.

Nofsinger, R. E. (1999). Everyday conversation. Waveland.

高木智世 (著), 細田由利 (著), 森田笑 (著) (2016)「会話分析の基礎」 ひつじ書房

Schegloff, E. A. (2007). Sequence organization in interaction: A primer in conversation analysis I (Vol. 1). Cambridge University Press.

(オンラインで読める論文等)

https://tim792.wixsite.com/greer/publications よりアクセスしてお読みください

Encyclopedia of Terminology for CA and IL https://emcawiki.net/Encyclopedia_of_Terminology_for_CA_and_IL 

 

教員・ゼミ紹介:佐藤健 教授

Updated: 2024/7/23


1. 教員氏名

佐藤 健(さとう たけし)











2. 教員の略歴

慶応義塾大学文学部卒業。同大学院政策・メディア研究科及びUCL Institute of Education修了。博士(学術)。桜美林中高、静岡大学、東京農工大学、ロンドン大学客員研究員を経て2024年4月に本学着任。外国語教育メディア学会理事、同学会全国機関誌(Language Education and Technology)編集委員長等を歴任。国内外のジャーナルでの査読委員を数多く担当。


3. 教員連絡先

(メール)satoken@people.kobe-u.ac.jp

(サイト)https://sites.google.com/view/satokenlab 

(Reserchmap)https://researchmap.jp/read0142273 


4. 教員研究キーワード(10個程度)

応用言語学、第二言語習得、語彙習得、コンピュータ支援外国語教育(CALL)、モバイル支援外国語教育(MALL)、応用認知言語学、英語教育、社会文化的アプローチによる外国語教育、ラーニングデザイン


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語・英語

(研究テーマとしての言語種)英語・日本語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

ICT・AIを利用した外国語教育研究(CALL/MALL)
第二言語語彙習得研究(特に認知言語学的アプローチを援用したもの)
外国語教育コンテンツ開発と評価研究
社会文化的アプローチによる外国語学習デザイン研究


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)

今年度に着任したばかりのため厳密な基本方針はまだありませんが、上記の研究テーマに興味があり、修学年限内に研究を遂行できる能力と意欲を持つ学生を歓迎します。また、リサーチデザインおよび統計分析の基本的な考え方と知識を持っていることが望ましいです。 


8. ゼミで執筆する修論・博論について

修士学生には、学生の関心と要望を踏まえてテーマを決定し、集団指導や学会などのイベントに向けたタスクを進める中で、修士論文を完成できるよう指導します。博士学生には、自律的に研究を遂行するための基本的な知識と考え方を提供し、理論的考察、実験デザイン、考察について定期的にコメントやフィードバックを行いながら、国内外の学会での発表やジャーナル論文の投稿を後押しする形で研究活動をサポートします。


9. ゼミの魅力(学会発表,ゼミ旅行,先輩との交流など)

講座内に留まらずや他コース、また他大学の教員・学生と交流する場を提供する予定です。研究の進捗状況に応じて、国内外の学会での学会発表、およびジャーナルへの投稿機会も積極的に提供します。


10. ゼミOB/OGの就職状況

本学での就職実績はありませんが、これまで博士論文を指導した学生は国内外の大学で教員として活躍しています。


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

Learning is Collaboration. 対話の中に研究や教育のヒントがたくさん埋もれています。さまざまな人と交流し、彼らの知見や価値観に触れ、それを吸収してわがものとする(appropriation)ことで研究者としても教育者としても成長できると信じています。


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献

「英語教師のためのボキャブラリー・ラーニング」I.S.P. ネーション(著)吉田晴世・三根浩(訳)

「Implementing Mobile Language Learning Technologies in Japan」Steve McCarty, Hiroyuki Obari and Takeshi Sato(著) 特にChapter 2の「Mobile Language Learning Pedagogy: A Sociocultural Perspective」を推奨。

「認知言語学を英語教育に応用する ―応用認知言語学の方法」Andrea Tyler(著)中村芳久(監訳)

「Applying Cognitive Linguistics to Second Language Learning and Teaching」Jannette Littlemore. 

以下のリンクの論文のいくつかに目を通しておいてください。 https://scholar.google.com/citations?user=LfxOvd0AAAAJ&hl=ja&authuser=1 




 

教員・ゼミ紹介:芹澤円 助教

Updated: 2024/7/23


1. 教員氏名

芹澤円(せりざわ・まどか)













2. 教員の略歴

学習院大学文学部卒、学習院大学人文科学研究科修士修了、同研究科博士課程単位取得満期退学、博士(文学)。学習院大学を経て、2020年10月より神戸大学教員。日本独文学会所属。神戸大学雰囲気学研究所メンバー。


3. 教員連絡先

m.serizawa@phoenix.kobe-u.ac.jp


4. 教員研究キーワード(10個程度)

ドイツ学、歴史言語学、テクスト言語学、話しことば・書きことば分析、テクストタイプ研究、雑誌テクスト研究、表象文化論、ドイツ語教育、外国語教育


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語

(研究テーマとしての言語種)日本語、ドイツ語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

芹澤ゼミは、「歴史語用論の分野に関わる言語研究」を専攻される学生のみを受け入れます。広く外国語教育全般に関する研究テーマは受け入れていません。


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)

・テーマについては,学生の希望を聞きつつ,基本的には教員側で調整を行います.「自由にやりたいことができる」わけではありません。

・ゼミ生はメールで常時連絡を取り合います。ゼミは原則週1回,基本的に対面で行われます。夏季や冬季の休暇中も指導があります。その他、集団指導や学外発表などがある場合には,週1回のゼミに加え、さらにゼミを行います。ゼミでは,全員が1週間の進捗をパワーポイントなどにまとめて報告し合い、教員およびゼミ生同士でコメントし合います。そのうえで教員が指導を行っていきます。


8. ゼミで執筆する修論・博論について

現在、私のゼミでは修士生のみを受け入れています。論文執筆にあたっては、歴史的な観点も必要となるため、言語だけでなく歴史にも興味を持ちながら執筆する必要があります。


9. ゼミの魅力(学会発表,ゼミ旅行,先輩との交流など)

ゼミ生とゼミ教員が近い距離で研究を進められるような環境づくりを目指しています。


10. ゼミOB/OGの就職状況

なし


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

歴史的に言語はどのように使われていたのか。

歴史語用論の分野では、書き残された言語を手掛かりにしながら研究を進めていきます。その際、いつ、だれが、誰に対して、どのような意図を持って、どのような場面で言語が使用されていたかなど、当時の言語を観察するだけではなく、より広く文化的・社会的状況を踏まえながら分析を行う必要があります。そのうえで、歴史における言語の使われ方に興味がある学生を歓迎します。また、積極的に研究を進める意欲のある学生が芹澤ゼミに向いています。ゼミ希望の学生は必ず事前に教員にコンタクトを取り、教員と面談する必要があります。


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献

高田博行、椎名美智、小野寺典子(編)(2011)『歴史語用論入門: 過去のコミュニケーションを復元する (シリーズ・言語学フロンティア 3)』大修館書店.

金水敏、高田博行、椎名美智(編)(2014)『歴史語用論の世界―文法化・待遇表現・発話行為』ひつじ書房.

高田博行、小野寺典子、青木博史、白井敬尚(編)(2018)『歴史語用論の方法』ひつじ書房.

 

2024年7月23日火曜日

教員・ゼミ紹介:木原恵美子 准教授

Last updated: 2024/8/23

1. 教員氏名
木原恵美子(きはら・えみこ)





2. 教員の略歴
大阪外国語大学卒、京都大学人間・環境学研究科修士課程・博士課程修了、博士(人間・環境学)、2011年より神戸大学国際コミュニケーションセンター准教授。日本認知言語学会、日本語用論学会所属。


3. 教員連絡先
(メール)kihara.emiko@crystal.kobe-u.ac.jp
(ウェブサイト)https://emikihara.jimdofree.com/


4. 教員研究キーワード
英語、認知言語学、用法基盤、構文研究、英語学習者、談話分析、響鳴


5. 対応可能な言語種別
(教授・指導で用いる言語)日本語と英語
(研究テーマとしての言語種)英語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ
(母語話者による)英語の構文研究か英語学習者のライティングデータか会話データを理論的枠組みに基づいて分析する学生のみを受け入れます。英語の言語現象を観察し、理論的に分析することに挑戦する学生を支援します。


7. ゼミ指導に関する基本方針(テーマ設定,指導スタイル,学外発表ノルマなど)
テーマは学生が自由に設定します。具体的には、M1の3月末までに関連する先行文献を100本程度を読みながらテーマを決めるため、1年かけて何度もやりとり・面談します。


8. ゼミで執筆する修論・博論について
学位論文のページ数は学生によって異なりますが、修士論文の場合は大体70-100ページ程度です。以下がこれまでに提出された修士論文です。

「日本人英語学習者の論証文における熟達要因に関する質的調査」2022年2月(東京大学教育学部附属中等教育学校教諭)  

「海外留学経験が日本人高等学校英語教師の指導に与える影響に関するアンケート調査の統計的分析」2019年2月(大阪府私立高等学校教諭) 

“Using a Web Application to Enhance EFL Learners’ Awareness of Hedging in Academic Writing.” February” February, 2017. (修了後に英語発音トレーニングwebアプリ「ネイティブの口」を開発)


9. ゼミの魅力(学会発表,ゼミ旅行,先輩との交流など)
同級生や先輩との競争はなく、学会発表も強制していません(挑戦する場合はM1で準備、M2で応募することになります)。修士の2年間(研究・就活・留学・公務員試験勉強)をどのように過ごすのかは各自が自由にデザインできます。


10. ゼミOB/OGの就職状況
前期課程修了者:大阪府私立高等学校教諭、東京大学教育学部附属中等教育学校教諭、福井県高等学校教諭


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと
言語系の理論を学びながら言語現象を分析するため、理論研究(モデリング研究)に対する興味や理解が求められます。


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献
ご自身が興味がある分野の論文を30本は読んでいてくだされば、ここで強いて推薦する図書はありません。

 

2024年7月19日金曜日

2024.7.26 神戸大学国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース2024年度第3回集団指導

 神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース(代表:陳暁)では、下記のとおり、2024年度の第3回コース集団指導を開催します。大学院進学を考えておられる方を含め、多くのみなさまの聴講を歓迎します。なお、学外からの参加の場合は、事前に石川(iskwshin@gmail.com)までご一報ください。

写真:神戸大鶴甲第1キャンパス


                     記

日時: 2024年7月26日(金)10:40~12:10
会場: 神戸大学国際文化学研究科鶴甲第1キャンパスD503教室
発表形式:ポスター発表

プログラム
10:40~11:20 A組 陳迪・岡本・飯島・石居・魏・尾崎
11:20~12:00 B組 中村・廉・Shimamoto・春山・牟


D3

中村弘子
「日本人大学生の性格・情意要因が英語発話時の韻律的特徴に与える影響―生理学的および音響学的考察―  Effects of Personality Traits and Affective Factors on English Prosodic Features in Japanese University Students: Acoustic and Physiological Analyses」
概要:今回の発表では博士論文の第8章で取り上げる「情意要因が文アクセント」に与える影響について、文全体のピッチレンジに加え、各単語のピッチレンジの大きさの違いにも注目し、習熟度別の分析を行った結果について考察を加える。

岡本真砂夫
「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
概要:定型文の音読課題(第4章)と,インタビュー課題への応答(第5章)の音声データを用いて,学年(対応なし:5,6年生)と学期(対応あり:1〜3学期)の2元配置分散分析を行った。第4章と第5章の分析結果を用いて,音声指導の効果について考察する。

陳迪
「中国語を母語とする日本語学習者の漢語動名詞使用に対する意識調査」
概要:学習者にとって望ましい漢語動名詞の指導システムを開発するため、CLJを対象に、漢語動名詞の基礎知識および応用知識の理解度、ならびに漢語動名詞の指導に対する意識についてアンケート調査を実施する。本発表は調査結果を報告する。

D1
Shimamoto David
"Soliciting Accounts to Repair Problems of Acceptability in Pre-task Question-Answer Sequences "
概要:In its most general sense, the provision of accounts aids the intelligibility of our actions. This poster presentation examines how educators solicit accounts from learners in pre-task interaction when their responses are deemed inapposite. Two contrasting cases are analyzed: one in which an account is solicited and promptly delivered and another in which an account is solicited but is not provided. 

飯島真之
「現代英語の態度マーカー:COREコーパスのレジスター別頻度調査に基づいて」
概要:本研究ではスタンス(stance)の枠組みのうち、態度マーカー(fortunately, important等)に着目する(Hyland, 2005)。現代英語における33種の多様なレジスターから構成されるCOREコーパスを用いて、個々の対象表現とレジスターの関係性を踏まえた考察を行う。

廉沢奇
「オノマトペ標識の出現パタンはジャンルと関係あるか?ーBCCWJとCEJCを用いた分析ー」
概要:先行研究で、オノマトペの出現パタンがジャンル差の影響を受けることが知られている。しかし,個々のオノマトペを構成する「オノマトペ標識」(促音、撥音、長音、反復…)のレベルで、ジャンル別の出現差を調べた先行研究はほとんど存在しない。そこで本研究は従来の議論をより抽象的なレベルでとらえなおし、「オノマトペ標識」と使用場面の関係性を探りたい。

M2
石居 史帆
"Identity-in-interaction in L2 Japanese Talk: Micro-longitudinal Change in Identity-related Epistemic Stance"
概要:認識的スタンスの変化について、主に認識的標識に注目し、Micro-longitudinal Conversation Analysisを用いて分析する。また、アイデンティティとの関係性について考察する。

春山洸陽
"Reusing shared interactional histories as a peripheral participant"
概要:ロールプレイタスクを行う中で、周辺参加者として共有した言語資源をその後の相互行為において使用しているデータとその分析発表する。

尾﨑 祐真
「2段階マッチングによるフィードバックシステムの検討」
概要:フィードバックシステムを改善するために、2段階でのマッチング方法を検討した。従来の単純なキーワードマッチングでは、不完全な入力でも回答を返してしまう問題があったため、新しいアプローチでは、まず1段階目で学習者の意図を把握し、次に二段階目に入力の正確性を評価するという方法を検討した

M1
魏婧云
「「A(っ)Bり」型オノマトペの典型的な音韻パタンの確定―NSコーパスを用いて」
概要:日本語のオノマトペは、語形だけでなく、音韻が重要な役割を果たしている。本研究は、非母語話者向けのオノマトペ指導において、母語話者が持つ言語音感覚を学習者に理解させるため、NSコーパスを用いて「A(っ)Bり」型オノマトペのA・B要素別に典型的な母音・子音・音韻パタンを調査する。

牟虹妮
「現代日本語における「と+動詞」の動詞成分ージャンルによる差異の解明ー」
概要:今回は、書き言葉のBCCWJの4ジャンル、話し言葉のCEJCの4ジャンル、あわせて8ジャンルにおいて、JNSが高頻度で使用する「と+動詞」の動詞成分を解明する。これらが明らかになれば、CLJ向けの日本語教育の指針にもなる。