外国語教育コンテンツ論コースでは下記の通り、集団指導を実施します。学内外の皆様の聴講を歓迎します。なお、学外者で参観を希望される方は、前日までに、石川(iskwshin@gmail.com)までご連絡ください。
第4回集団指導プログラム
●日時:2024年11月29日(金)10:00~12:00
●場所:神戸大学鶴甲第1キャンパス D503教室
●プログラム
D1 口頭発表(発表時間10分、質疑応答5分)
飯島真之 10:00~10:15 司会:Shimamoto
「日本人英語学習者のスタンス表出傾向:MATによるレジスター次元・言語特性別スコアを用いたアジアのEFL圏6地域の比較」
要旨:Biber(1988)が示した現代英語テキストの6レジスター次元、および各次元に関与する多様な言語特性に基づき、日本人英語学習者のスタンス表出の全体像を、他のアジアのEFL圏5地域の学習者や大学生英語母語話者と比較することで考察する。
廉沢奇 10:15~10:30 司会:飯島真之
「オノマトペ標識の出現パタンはジャンルと関係あるか?ーBCCWJとCEJCを用いた分析ー」
要旨:本研究では、オノマトペ標識(反復、促音、撥音、長音など)に焦点を当て、その出現パタンとジャンルとの関連性を明らかにすることを目的とした。結果として、オノマトペ標識属性の連続変化モデルが提案され、今後のオノマトペ研究における基礎資料としての価値を持つことが示唆された。
David Shimamoto 10:30~10:45 司会:廉沢奇
「Understanding written instructions: Task instruction cards as a resource for L2 repair」
要旨:Adopting a conversation analytic approach, this presentation examines instruction-giving sequences at an experiential language-learning institution, where “mission cards” are used to provide task instructions to learners. Analysis focuses on instances of repair when learners demonstrate understanding of their tasks by producing verbal formulations of their written instructions.
M2 口頭発表(発表時間10分、質疑応答5分)
尾﨑祐真 10:45~11:00 司会:石居史帆
「英語学習支援システムにおけるフィードバック方式の改善と段階的学習機能の実装」
要旨:前回指導でご指摘いただいた「会話中の詳細なフィードバックによる対話の中断」という課題に対し、会話活動中は短めのフィードバックにし、詳細なアドバイスを、ログ記録として活動後に確認できるようにするという改善を行った。また、「応用的な活動を追加してみるのはどうか」というご意見を受け、4体のキャラクターにそれぞれ異なる役割を持たせ、基本練習から応用練習まで段階的に学習できるように修正を行った。本発表では、これらの改善点の詳細と、実装したシステムの動作結果について報告する。
春山洸陽 11:00~11:15 司会:尾﨑祐真
「Learning on the Periphery: How peripheral participants adapt shared interactional resources in L2 conversation」
要旨:TGGのRole-play taskにおいて、周辺参加者として共有した相互作用資源をその後の自身のタスク活動においてどのように活用するかについてGoffman (1981)の提唱したParticipation frameworkをもとに分析した結果について発表する。
石居史帆 11:15~11:30 司会:春山洸陽
「Identity-in-Interaction in L2 Japanese Talk: Gaze, Identity and Participation Framework」
要旨:L2日本語会話における視線とアイデンティティ・カテゴリーの使用について分析した。また、参与者枠組みとの関係についても分析した。
ポスター発表(M1 +M特別研究生 + D3)11:30~12:00
「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
要旨:第3章「パイロットスタディ」,第4章「定型文の音読課題」,第5章「インタビュー課題への応答」,各章それぞれの結果,コロキアムⅢでいただいた指導,教室で実施した実践について整理しました。
M1 魏婧云
「コーパスに基づく類義オノマトペの意味差の考察 -「ゆっくり」と「じっくり」を例に-」
要旨:日本語のオノマトペは多くの場合、意味が曖昧で明確に定義することが難しい。その中でも、意味が似通った類義オノマトペは特に日本語学習者にとって習得が困難である。「A(っ)Bり」という共通の構造を持つ「ゆっくり」と「じっくり」もその一例である。今回は、「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の9ジャンルと「日本語日常会話コーパス」の4ジャンル、合計13ジャンルにおいて、両語の頻度と共起動詞をコーパス分析を用いて調査した。これらの知見は、類義オノマトペの学習指導において有益な参考となることが期待される。
M1牟虹妮
「現代日本語における「と+する・思う・言う」の使用実態―書き言葉・話し言葉の解明―」
要旨:本研究では、「と+する」の用法を対象に、既存の辞書記述を確認し、コーパス分析を通じて実態を明らかにし、より適切な辞書記述の改善案を提案する。、
M1李思帆
「Conversational preference in TRPG as a result of projectability」
要旨:Based on the characteristics of TRPG as a conversation-based activity, preference organization are constantly being made as a sign of "projectability" to shape the outcome of communication.
M2特研 黄悦斉
「コーパスに基づく類義の外来語・和語・漢語の用法差の解明 -「スタートする」「始ま(/め)る」「開始する」を例として-」
要旨:日本語には語種を超えた類義語が多く存在するが,その差異は必ずしも明確ではない(藤原・山下,2021)。本稿は,「スタートする(S)」「始ま(/め)る(H)」「開始する(K)」の3語を取り上げ,「筑波ウェブコーパス」を用い,使用頻度,共起主語,共起目的語等を計量的に調査した。