2025年3月20日木曜日

神戸大学国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースの紹介

神戸大学大学院国際文化学研究科グローバル文化専攻外国語教育コンテンツ論コース




2025年度教員・学生(2025/4/25集団指導後に撮影)


【コースの紹介】
 神戸大学大学院国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コースでは,新時代の外国語教育の創造に主体的に参画できる人材育成を目指し,外国語教育の内容・方法・展開に関わる研究を総合的に行っています。
 当コースでは,言語学(コーパス言語学・認知言語学・語用論・音声学・文法学)と教育学(授業論・教育工学)の学問的基盤をふまえつつ,とくに,教育現場での実践的展開を見据えた研究を重視しています。
 本コースにおいて外国語教育を取り巻く諸問題に多面的にアプローチする能力を付けた修了生は,国内外の教育機関等で活躍しています。本コースは,学部時代の専門に関わらず,外国語教育を通して社会のグローバル化に貢献しようとする意気込みにあふれた学生の受験を歓迎します。

【コース指導の特徴】
 閉鎖的な徒弟式の指導に偏らず,コース教員の多様な専門を生かした集団指導を特徴としています。コース学生は,主指導教員によるゼミのほか,年間5回の「コース集団指導」において,コース所属の教員全員から指導を受け,各自の研究を深めていくことができます。「コース集団指導」は本格的な学会発表の予行の場でもあり,自分の専門をわかりやすく発表するプレゼンテーション技術を磨くこともできます

集団指導風景(学生全員がポスターを作成し、他の院生・教員とディスカッションする)


【コース教員】 (担当講義科目 専門分野)
石川 慎一郎 教授 (研究者紹介科研個人HP)  
 外国語教育内容論特殊講義II   応用言語学 
柏木 治美 教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教育工学論特殊講義   教育工学、CALL
木原 恵美子 准教授 (研究者紹介科研個人HP
 外国語教授学習論特殊講義   英語の構文研究、認知言語学
グリア・ティモシー 教授 (研究者紹介科研個人HP
 第二言語運用論特殊講義   会話解析
佐藤 健 教授(研究者紹介科研個人HP)※2024/4着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 応用言語学、ICT利用外国語教育
芹澤 円 助教(研究者紹介・科研・個人HP)
 言語対照応用論特殊講義Ⅰ ドイツ語学
陳 暁 講師(研究者紹介・科研・個人HP) ※2023/10着任
 外国語教育内容論特殊講義Ⅰ 中国語学

パンフ
2026年度入学生用パンフより(クリックで拡大)


【コース修了生の進路実績(2007~2023年度)】
(後期課程)
【専任】近畿大学准教授,環太平洋大学准教授,大阪大学専任講師,広島国際大学専任講師,四川外国語大学専任講師,湖北大学専任講師,大阪工業大学特任講師,中南財経政法大学専任講師,山東科技大学専任講師、カタール大学専任講師
【非常勤】関西大学他非常勤講師,神戸大学非常勤講師,東京家政大学非常勤講師、神戸大学外国人特別研究員他

(前期課程)
(進学)神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程、筑波大学博士後期課程
(就職)
【教育関係】神戸大学特命助教,兵庫県立大学助教,東京大学附属中等教育学校教諭、神戸大学附属中等教育学校教諭(2),神戸大学附属小学校教諭,兵庫県立高校教諭(2),滋賀県立高校教諭,神戸女学院中高等部教諭,沖縄県立高校講師,西大和学園中高講師,同志社女子中高講師,尼崎市立中学校教諭,神戸市立中学校教諭、神戸市外国語大学非常勤講師、神戸市高等工業専門学校非常勤講師
【企業等】(株)矢崎産業,(株)Sony Computer Entertainment, Taiwan,(株)三菱電機,(株)白鳩(インターネット通販),(株)日立ソリューション,(株)富士通、(株)Sony Global Manufacturing Corporation、(株)TSB(電子部品商社)上海支社ほか。

【研究分野で活躍する修了生】(50音順)(2025年4月1日現在)
《本コースは内外の大学教員を多く輩出しています。》

Amar, Cheikhna氏 
 カタール大学専任講師(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
井上 聡 氏 
 環太平洋大学教授(前副学長・学部長)(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
袁 園 氏
 中南財経政法大学副教授 (ウェブサイト)*本コースD修了(グリアゼミ)
岡田 悠佑 氏 
 大阪大学准教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(グリアゼミ)
呉 琪氏
 筑波大学助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(朱ゼミ)
佐々木 恭子氏
 国立米子工業高等専門学校准教授(ウェブサイト) ※本コースM修了(石川ゼミ)
肖 錦蓮 氏
 華南農業大学外国語学部日本語学科専任講師(ウェブサイト) ※本コースM研究生、D修了(石川ゼミ)
隋 诗霖氏(ウェブサイト
 吉林動画学院(※単科私立大)国際交流学院日本語教師 ※本コースM研究生・M修了(石川ゼミ) 
鈴木 佳奈 氏 
 広島国際大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)
張 昆 氏 
 四川外国語大学専任講師 ※本コースMD修了(朱ゼミ)
張 晶鑫氏
 湖北大学副教授(ウェブサイト) ※本コースD修了(石川ゼミ)
陳 昌柏 氏 
 山東科技大学外国語学院 研究生导师(ウェブサイト)※本コースD修了(朱ゼミ)
陳迪氏
 神戸大学教養教育院非常勤講師 ※本コースD修了(石川ゼミ)
鄧 琪 (邓琪) 氏
 東北大学(秦皇島キャンパス)専任講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
中西 淳氏
 大阪工業大学講師(ウェブサイト) ※本コースMD修了(石川ゼミ)
Zachary Nanbu氏
 同志社大学グローバル地域文化学部助教(ウェブサイト) ※本コースMD修了(グリアゼミ)
李 楓 氏 
 西安理工大学准教授(ウェブサイト)※本コースMD修了(石川ゼミ)
渡邉 綾 氏 
 福井県立大学准教授(ウェブサイト)※本コースD修了(グリアゼミ)


◎大学院(博士前期課程・後期課程・研究生)志望者の方へ
当コースは,受験前の教員への事前相談を必須化しています。師事したい教員がいれば,直接,メイルで連絡をとってください。

【コース関連教員】
(名誉教授)
井口 淳  名誉教授(英語語法学・英語辞書学)Researchmap
沖原 勝昭 名誉教授(英語教育学・応用言語学)Researchmap 
枡田 義一 名誉教授(ゲルマン語文法研究)Researchmap 神戸日独協会会長
朱 春躍 名誉教授(中国語音声学)Researchmap
大和 知史 名誉教授(英語教育学) → 現 関西大学教授 Researchmap

 (転出教員)
西出 佳代 講師 → 現 金沢大学准教授 Researchmap
浅野 友紀 講師 → 現  北海道大学准教授 Researchmap
大和 知史教授 → 現 関西大学教授 Researchmap


【学生研究テーマ】
(博士論文)第2言語使用アイデンティティ,小学校英語指導者資質診断テスト開発,会話における他者起源修復,中日同形方位成分,会議インタラクション,日本語複合動詞,英語基本動詞のコーパス分析,漢語サ変動詞のコーパス分析,日本語オノマトペ分析、会話分析

(修士論文・修了研究レポート)英語強意詞,英語コロケーション,英語使役動詞,英語起動表現,ドイツ語動詞の自他,日本語カタカナ語,シャドーイング,フォニックスルール,Focus-on-form発音指導,バイリンガル話者会話分析,英語前置詞コーパス分析,終助詞「よ・ね」の音調分析,日本語複合動詞「~あう」研究他


【Q&A】
Q:どのような言語が研究できますか?
A:英語,日本語,中国語,ドイツ語については専門スタッフがそろっています。また,このほかの言語についても,一般言語学および言語教育学の観点から研究指導を行うことが可能です。

Q:学部時代に外国語学を専攻していなかったのですが志願できますか?
A:これまでの在籍生の学部時代の専門は,言語学・言語教育学のみならず,文学・法学・経済学などさまざまです。語学力と語学教育への熱意があれば,大学院において新たに外国語教育の研究を始めることもじゅうぶん可能です。本コースでは,導入講義を体系的に開講しているので,これらの履修により,2年間で修士レベルの知識や分析スキルを身に着け,さらに,後期課程で研究を深めることができます。

【過去のコースメンバー写真】


2024年年度教員・学生(2024/4/26)


2023年度教員・学生(2024/2)


2020年度教員・学生(2021/1/8)

2019年度教員・学生(2019/4/26)







  







2025年3月19日水曜日

2025.4.25 2025年度第1回集団指導

表記を開催しました。M1/D1にとっては入学後すぐの発表でしたが、それぞれ自身の研究の方向を定めた発表


第1回集団指導
日時:4月25日(金)10:20~12:10
場所:D503
発表形式:全員ポスター発表
 進行方法:A組とB組に分ける
 10:20~11:00 A組 飯島・魏薇・魏婧云・李・付・陳
 11:00~11:40 B組 廉・Shimamoto・牟・益田・八並・黄

<学生発表リスト>

D2
Shimamoto David Orienting to “Open” Class Repair Initiation in Pre-task Instruction-giving Sequences
"Open" class repair initiators (e.g., "What?" and "Huh?") can be ambiguous methods of addressing a communication breakdown because they come short of specifying the source of the problem. Using conversation analysis, this presentation examines English learners' verbal and embodied orientations to this type of repair practice. Data come from pre-task activities in which learners are prompted to verbalize the content of their task instruction cards.

D2
飯島真之 現代英語における主張の強調:ブースターの使用
本発表では、現代英語のブースター(主張の強調に関連する表現)(Hyland, 2019他)に着目し、これらが現代英語の多様なレジスターにおいてどのように使用されているかを調査・考察する。調査には、33種の多様なレジスターから構成されるCOREコーパスを使用する。

D2
廉沢奇 オノマトペ使用は習熟度と関係しているか?-学習者による発話と作文の分析を通して- 本研究は、日本語オノマトペについて、学習者の使用実態を解明するため、話し言葉(発話)と書き言葉(作文)の2大区分で、延べ語数・異なり語数などの観点から、学習者と日本語母語話者間の差異を明らかにし、その原因を解釈した。

D1
魏薇(ギビ) キーワード字幕を用いた中国人中級日本語学習者の語彙習得処理過程の解明 本研究は中国人中級日本語学習者を対象に、「キーワード字幕」という字幕提示方法が語彙習得にどのように寄与するかを明らかにすることを目的とする。

M2
李思帆 リ シホ Resisting the Narrative: Interactional Trajectories in TRPG Play
Resistance is understood as a response that disrupts or slows the projected trajectory of interaction. In TRPG, similar resistance emerges when players challenge or transform the GM’s proposed narrative direction

M2
牟虹妮 「っていう」の同格用法のタイプ別使用実態-「という」との比較-
本研究は、文体変異形とされる「っていう」について、基本形の「という」の場合と用法パタンの違いを調査した。CLJに向けの日本語教育において「という」、「っていう」の指針にもなる。

M2
魏婧云 日本語学習者のための「AっBり」型オノマトペ指導シートの作成
「AっBり」型オノマトペに関するコーパス研究の知見を基に、中国人日本語学習者を対象とした指導シートの作成について報告します。高頻度語やジャンル別使用傾向、品詞用法、類義語の使い分けなどを学習目標に設定し、Pre/Postテストと教材学習を組み合わせたタスク型学習活動を設計しました。本指導シートを通じでは語彙理解と運用力の向上を目指します。

M1
益田拓実 英語・日本語母語話者による英作文における動詞のテンス・アスペクトの多様性の実証的研究ー学習者コーパスに基づく研究ー
母語話者と日本人英語学習者の英作文、そして日本人英語学習者の英作文を習熟度レベル間で比較し、テンス・アスペクトの使用実態に差異があるかどうかを、統一されたトピックで比較可能な英語学習者コーパスであるICNALEを用いて分析した。

M1 
FU GANG 英語・日本語・中国語母語話者による英作文中の逆接Linking adverbials(LAs)の使用頻度 ーL1影響を探るー
逆接LAsは文章の論理的構造に大きな役目を演じている。また、Howeverに関して、日中間の使用傾向が逆転しているため、その結果はL1の影響を受けた可能性がある。各言語の総頻度や各逆接LAの個別頻度を比較することで、L1の影響を探る。

M1
八並 航大 オンライン英会話とChatGPTを用いた学習の比較: スピーキング不安、WTCへの影響と学習効果検証 AIチャットボット(ChatGPT)とオンライン英会話のスピーキング能力、不安の軽減、WTCへの影響を調査する。具体的には、AIとの対話がオンライン英会話と比較しこれらの要素にどの程度影響を与えるかに着目する。

M特別研究生
陳 墨林 日本メディアの「放出水」報道をめぐる批判的談話分析
本研究は、福島原発処理水の海洋放出をめぐる日本メディアの報道を批判的談話分析(CDA)の枠組みで考察する。

M特別研究生

黄悦斉 中国人日本語学習者縦断コーパスにおける語種比率変化の一考察―B-JASのSW1・SW2データに基づいて―
本研究では、B-JASのストーリーライティングタスク(SW1・SW2)を用い、語種使用比率の変化を調査した。分析の結果、(1)和語は逆U字型、(2)漢語は安定傾向、(3)外来語は増加傾向を示した。これにより、習熟度の変化に伴う語種使用の特徴が明らかとなった。


2025年1月27日月曜日

外国語教育コンテンツ論コース修論最終試問・第5回集団指導

日時:2025年1月31日(金)10:00~12:00

場所:D510

プログラム:

M2  口頭発表(修士最終試験)(発表15分+質疑応答5分)

尾﨑祐真   10:00~10:20
「CG キャラクタと音声認識を用いた外国語スピーキング練習システムの検討と開発」
 本研究は、英語教育における発話機会の不足や心理的不安といった課題に着目し、CG キャラクタと音声認識技術を組み合わせたスピーキング練習支援システムを開発・評価する。具体的には、(1)類似度を用いた段階的フィードバック機能、(2)対話相手としての CG キャラクタの活用、(3)システム全体としての可能性の3観点から検証を行い、システムの有効性と実践的な活用に向けた課題について考察する。



春山洸陽   10:20~10:40
The Role of Interactional History in L2 Conversation: A Micro-Longitudinal Study of Japanese English Learners in Experiential Language Education
 修士論文研究の概要について発表する。具体的には、(1)interactional history (相互作用歴)の使用による対話相手への使用言語の適応、(2)L2話者のinteractional historyへの思考による相互行為能力の発達、(3)周辺参加者としてのinteractional historyの共有および言語資源の適応について発表する。また研究から得られた知見をもとに、教育的示唆についても議論する。



石居史帆   10:40~11:00
Identity-in-Interaction in L2 Japanese Talk
 第二言語としての日本語会話におけるアイデンティティについて会話分析および成員カテゴリー分析を用いて調べた。またアイデンティティカテゴリーの使用の変化についてはmicro-longitudinalな会話分析を用いて、認識的スタンスと話題の観点から調べた。




M1  口頭発表(発表10分+質疑応答5分)

魏婧云   11:00~11:15
中国の日本語教科書における「AっBり」型オノマトペの分析―日本の日本語教科書との比較―
 本研究では、中国の日本語教科書における「AっBり」型オノマトペの取り扱い実態を明らかにするため、日本の教科書を比較対象として、「AっBり」型オノマトペの扱いを3つの観点から分析した。その結果、各巻だけでなく、教科書間でも扱い方に差異があることが明らかになった。これらの知見は、教育現場における日本語オノマトペ指導に対する一助となるものと考えられる。



牟虹妮   11:15~11:30
現代日本語の書き言葉・話し言葉における同格を表す「という」の用法分類
 本研究では、現代日本語における同格を表す「という」の用法を、書き言葉と話し言葉を基分析する。BCCWJとCEJCのデータを用い、用法の共通点と相違点を明らかにすることで、日本語の文法理解および日本語教育への示唆を提供することを目指す。



李思帆   11:30~11:45 
Utilizing Collaborative Imagination as an Interactional Resource in TRPG Talk
 During the session of TRPG, players has to repeatitively utilize shared imagination that is being described or depicted by GM to interact with each other


全体写真



   

2025年1月25日土曜日

2025.1.24 国際文化学研究科コロキアム1

国際文化学研究科コロキアム1(D1進級試験)が実施され、コンテンツ論所属の3名の学生が発表を行いました。両コース教員からのコメントを受け、D2に向けて頑張っていただきたいです。


飯島真之氏

コーパス言語学の手法を援用した現代英語のスタンス表出実態の解明と英語教育への応

用:日本人英語学習者に向けた教材開発への示唆


David Shimamoto氏

Preparing for Second Language Tasks: A Conversation Analytic Study of Pre-task

Interaction


廉沢奇氏

コーパス調査に基づく現代日本語におけるオノマトペの用法解明と日本語教育への応用





2025年1月20日月曜日

2025年度 集団指導日程(案)

1/22現在の日程案です。今後変更される可能性があります。


第1回集団指導:4月25日(金)

第2回集団指導:6月27日(金)

第3回集団指導:7月25日(金)

第4回集団指導:11月28日(金)

コロキアムⅢ:11月14日(金)★1/22更新

コロキアムⅡ:1月16日(金)

コロキアムⅠ:1月23日(金)

第5回集団指導(修士最終試験)1月30日(金) 

2024年11月27日水曜日

2024.11.29 神戸大学国際文化学研究科外国語教育コンテンツ論コース2024年度第4回集団指導

外国語教育コンテンツ論コースでは下記の通り、集団指導を実施します。学内外の皆様の聴講を歓迎します。なお、学外者で参観を希望される方は、前日までに、石川(iskwshin@gmail.com)までご連絡ください。


第4回集団指導プログラム

●日時:2024年11月29日(金)10:00~12:00

●場所:神戸大学鶴甲第1キャンパス D503教室

 

●プログラム

D1  口頭発表(発表時間10分、質疑応答5分)

飯島真之   10:00~10:15 司会:Shimamoto
「日本人英語学習者のスタンス表出傾向:MATによるレジスター次元・言語特性別スコアを用いたアジアのEFL圏6地域の比較」
要旨:Biber(1988)が示した現代英語テキストの6レジスター次元、および各次元に関与する多様な言語特性に基づき、日本人英語学習者のスタンス表出の全体像を、他のアジアのEFL圏5地域の学習者や大学生英語母語話者と比較することで考察する。


廉沢奇        10:15~10:30 司会:飯島真之
「オノマトペ標識の出現パタンはジャンルと関係あるか?ーBCCWJとCEJCを用いた分析ー」
要旨:本研究では、オノマトペ標識(反復、促音、撥音、長音など)に焦点を当て、その出現パタンとジャンルとの関連性を明らかにすることを目的とした。結果として、オノマトペ標識属性の連続変化モデルが提案され、今後のオノマトペ研究における基礎資料としての価値を持つことが示唆された。


David Shimamoto  10:30~10:45 司会:廉沢奇
「Understanding written instructions: Task instruction cards as a resource for L2 repair」
要旨:Adopting a conversation analytic approach, this presentation examines instruction-giving sequences at an experiential language-learning institution, where “mission cards” are used to provide task instructions to learners. Analysis focuses on instances of repair when learners demonstrate understanding of their tasks by producing verbal formulations of their written instructions. 


M2  口頭発表(発表時間10分、質疑応答5分)

尾﨑祐真 10:45~11:00 司会:石居史帆
「英語学習支援システムにおけるフィードバック方式の改善と段階的学習機能の実装」
要旨:前回指導でご指摘いただいた「会話中の詳細なフィードバックによる対話の中断」という課題に対し、会話活動中は短めのフィードバックにし、詳細なアドバイスを、ログ記録として活動後に確認できるようにするという改善を行った。また、「応用的な活動を追加してみるのはどうか」というご意見を受け、4体のキャラクターにそれぞれ異なる役割を持たせ、基本練習から応用練習まで段階的に学習できるように修正を行った。本発表では、これらの改善点の詳細と、実装したシステムの動作結果について報告する。


春山洸陽     11:00~11:15 司会:尾﨑祐真
「Learning on the Periphery: How peripheral participants adapt shared interactional resources in L2 conversation」
要旨:TGGのRole-play taskにおいて、周辺参加者として共有した相互作用資源をその後の自身のタスク活動においてどのように活用するかについてGoffman (1981)の提唱したParticipation frameworkをもとに分析した結果について発表する。


石居史帆     11:15~11:30 司会:春山洸陽
「Identity-in-Interaction in L2 Japanese Talk: Gaze, Identity and Participation Framework」
要旨:L2日本語会話における視線とアイデンティティ・カテゴリーの使用について分析した。また、参与者枠組みとの関係についても分析した。


ポスター発表(M1 +M特別研究生 + D3)11:30~12:00

D3 岡本真砂夫
「英語プロソディ指導の縦断的研究:小学校教室での実践から」
要旨:第3章「パイロットスタディ」,第4章「定型文の音読課題」,第5章「インタビュー課題への応答」,各章それぞれの結果,コロキアムⅢでいただいた指導,教室で実施した実践について整理しました。


M1 魏婧云
「コーパスに基づく類義オノマトペの意味差の考察 -「ゆっくり」と「じっくり」を例に-」
要旨:日本語のオノマトペは多くの場合、意味が曖昧で明確に定義することが難しい。その中でも、意味が似通った類義オノマトペは特に日本語学習者にとって習得が困難である。「A(っ)Bり」という共通の構造を持つ「ゆっくり」と「じっくり」もその一例である。今回は、「現代日本語書き言葉均衡コーパス」の9ジャンルと「日本語日常会話コーパス」の4ジャンル、合計13ジャンルにおいて、両語の頻度と共起動詞をコーパス分析を用いて調査した。これらの知見は、類義オノマトペの学習指導において有益な参考となることが期待される。


M1牟虹妮
「現代日本語における「と+する・思う・言う」の使用実態―書き言葉・話し言葉の解明―」
要旨:本研究では、「と+する」の用法を対象に、既存の辞書記述を確認し、コーパス分析を通じて実態を明らかにし、より適切な辞書記述の改善案を提案する。、


M1李思帆
「Conversational preference in TRPG as a result of projectability」
要旨:Based on the characteristics of TRPG as a conversation-based activity, preference organization are constantly being made as a sign of "projectability" to shape the outcome of communication.


M2特研 黄悦斉
「コーパスに基づく類義の外来語・和語・漢語の用法差の解明 -「スタートする」「始ま(/め)る」「開始する」を例として-」
要旨:日本語には語種を超えた類義語が多く存在するが,その差異は必ずしも明確ではない(藤原・山下,2021)。本稿は,「スタートする(S)」「始ま(/め)る(H)」「開始する(K)」の3語を取り上げ,「筑波ウェブコーパス」を用い,使用頻度,共起主語,共起目的語等を計量的に調査した。

2024年7月24日水曜日

教員・ゼミ紹介:陳暁 講師

Updated: 2024/7/23


1. 教員氏名

陳 暁(ちん・ぎょう)







2. 教員の略歴

南開大学(中国)文学院卒業。同大学文学院にて修士号取得。北京大学 中国語言文学系で博士号取得。日本学術振興会外国人特別研究員(神戸市外国語大学)、お茶の水女子大学・外国語教育センター 講師(任期付)を経て、現在、神戸大学大学教育推進機構/国際文化学研究科講師。 


3. 教員連絡先

(メール) chenxiao@people.kobe-u.ac.jp

(サイト) https://chen-xiao.jimdosite.com/


4. 教員研究キーワード

中国語学,近世中国語,清代の北京語(語彙、文法、音声及び歴史的変化),中国文献学,満漢(満洲語と中国語)合璧文献,日本明治時代の中国語教科書,19世紀西洋人が編んだ中国語教科書


5. 対応可能な言語種別

(教授・指導で用いる言語)日本語,中国語

(研究テーマとしての言語種)日本語,中国語


6. ゼミで指導可能な学問分野・テーマ

陳ゼミは,近世中国語,清代の北京語(語彙、文法、音声及び歴史的変化),満漢(満洲語と中国語)合璧文献,日本明治時代の中国語教科書および19世紀西洋人が編んだ中国語教科書について,本気で研究をしたいという熱意のある学生を受け入れます。


7. ゼミ指導に関する基本方針

・テーマについては,学生の希望を聞きつつ,基本的には教員側で調整を行います。

・ゼミ生はMLで常時連絡を取り合います。ゼミは原則週1回行われます。学生の便宜のため,オンラインゼミも行われます。

・学外発表については,M1時点より,年1回(Dは年数回が望ましい)を基本ノルマとしています。


8. ゼミで執筆する修論・博論について

修論は5万字程度,博論は15万字程度が平均です。


9. ゼミの魅力

・ゼミ教員が所属する学会が多くあり,日本の大学及び海外の大学(特に中国の大学)と学術的なつながりを保っていますので,ゼミ生は学会や学術イベントで発表することが可能です。

・ゼミでは食事会(歓迎会,送別会など)があります。リラックスしてゼミ教員と交流する機会を作ります。


10. ゼミOB/OGの就職状況

なし。


11. ゼミ希望の学生・留学生に望むこと

・本気で研究をしたいという熱意のある学生を歓迎します。

・陳ゼミは,大量の歴史文献の原本や影印本を読んだり調査したりする必要があります。このため、原本や影印本を読まず,ネットで検索してデータを取る方法に慣れている方は,陳ゼミに向いていません。ご自身の適性をよく考えてから,連絡してください。

・陳ゼミは,研究のために,高いレベルの中国語能力が求められます。HSK5級以上のレベルに相当する中国語能力が望ましいです。

・ゼミ希望の学生は,必ず事前に陳にコンタクトを取り,オンライン面談することが必須です。


12. ゼミ生希望者が読んでおくべき文献

陳暁2018《基于清后期至民国初年北京话文献语料的个案研究》,北京大学出版社。

(漢文主編)劉雲/陳暁,(満文主編)王碩/竹越孝2018《早期北京話珍稀文献集成・清代満漢合璧文献萃編》(全9輯),北京大学出版社。(全9輯あるため,少なくとも1輯は読んでほしいです。)

太田辰夫1957『中国語歴史文法』,江南書院。2014新装再版,朋友書店。

太田辰夫1995『中国語文論集』(語学篇・元雑劇篇),汲古書院。